クラウドAI、もし日本がLINEで染まるとどうなる?
6月16日のカンファレンスで、LINEは「Clova」というクラウドAI戦略の詳細を発表。一方Googleは同戦略で「Google Assistant」を進めており、もちろんAmazonの「Alexa」も黙っちゃいません。もちろんAppleも。
Amazonの音声認識「Alexa」は世界のIoTを席巻し「スマートフォンの次」のプラットフォームの覇者となりつつある|GIGAZINE
とりあえずLINEはこの「Clovaインサイド」のデバイス第一弾として、スピーカ端末の「WAVE(ウェーブ)」を世に送り出すという。
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スピーカーとはいえ、この端末は呼びかけるだけでおすすめの音楽をかけてくれるだけでなく、天気情報やその他もろもろのリマインドなどにも応えてくれ、生活をより便利にするというもの。現在のAppleでいうところの「Siri」が中に入っているスピーカー。
現在のLINEアプリの浸透度からすると、最初の商圏は日本をはじめとするアジア圏のはず。しかしもしここで日本がLINEにどっぷり浸かってしまったら、今の中国韓国のように孤立化してしまいそうな心配があります。
上は現在の検索エンジンのシェア。ここに韓国がなかったので以下に追記。
韓国:NAVER(LINEの親会社)約70%、DAUM(カカオトークの会社)約15%、Google約5%、Yahooは撤退済み。
こう見ると、中国と韓国だけGoogleに依存しておらず、別世界なのがわかります(日本もいまだにYahooの使用率が高く、それはそれで異質なのですが、今は日本のYahooはGoogleのアルゴリズムを借りて運営しているので、ここは合わせて全部Googleとしときましょう(笑))。
下はアプリのダウンロードランキング。
まずは中国。
他国で使われているアプリはほとんどなく、ほとんどが自国産。今や世界17億人が使っているFacebookもここでは全く見当たらず。いろいろと国が規制しているというのもありますが、完全に独立文化国に見えます。
次に韓国。
中国に比べるとちょこちょこ見慣れたアイコンが並びますが、独自アプリの「カカオトーク」と「N」のマークのNAVERが目立ち、こちらも世界のダウンロードランキングと比較すると特異な雰囲気を漂わせています。
[関連記事] アプリのダウンロードランキング。ランク外のパズドラは何で世界でも売上が高いのか。(2016.10.01)|まなぶろぐ。
LINEで日本人の心を捉えることができた韓国が、次に投入してくるのは「Clova」です。他国に比べてGoogle利用率も低く、ネット依存度も遅れている日本が、クラウドAIもLINEで染まってしまったら…
そのうち日本NAVERが息を吹き返して日本向けのNAVERポータルサイトができ、現在Yahooを使っているユーザーのシェアをそっくり獲得できたら…
ファミマとの提携に関してはカンファレンスで詳しく語られなかったが、どのようなことが可能になるかを示唆するコンセプト動画が表示された。その中でユーザーがスマートスピーカーに「行ってきます」と声をかければ、「サンドイッチを買い忘れないでくださいね」とリマインドしてくれる。自動車に乗れば、カーナビが「1キロ先にファミリーマートがあります」とリマインドしてくれる。ファミリーマートの入り口でスマホをかざせば、サンドイッチが置かれている棚の上の方にあるディスプレイが点灯し、サンドイッチの場所を教えてくれる。サンドイッチを手に取れば、缶コーヒーをレコメンドしてくれる。缶コーヒーとサンドイッチを手に取ったことを店舗側のカメラが認識するのでレジで支払いする必要がなく、店を出た瞬間にLINE Payを通じて支払いが終了する。
LINE、GoogleのクラウドAI戦略を比較してみた
日本の個人情報の多くは韓国に流れるようになり、日本もどんどん世界と乖離して独立化していってしまうような感じがするのは……考えすぎですね。
いずれにしても現在世界の流れはAIにあり、東京オリンピックとは別腹で関連産業が伸びていくのは確実です。LINEは今秋には「WAVE(ウェーブ)」を発売し、Googleは12月の商戦には「Google Assistant」ビルトインデバイスを多く発売するといいます。2017年はいよいよAIが身近になりそうで楽しみです。
ちなみに、スピーカー関連のオンキョー(6628)は本日35%UPでなんとストップ高を記録。
一方当のLINEは、マイナンバーで日本政府との連携を発表したり、トヨタ・ファミマとAIで連携したりと、明るいニュースが続いているのに相変わらずの鳴かず飛ばず。弱いですねぇ(汗)。「日本のGoogle」になるのはまだ先のようです(*´ω`*)