ペイペイ100億円バックのキャンペーンが、最初から全部計算済みだとしたら凄すぎるという件。
まず、新しいモノが売れていく順番から。
購入者は大きく以下の3つに分かれます。
①イノベーター(約5%)
②アーリーアダプタ(約15%)
③フォロワー(約80%)
※インフルエンサー(影響力のある人)はだいたい①②の中に含まれる。
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新しいものが世に投下されると、とにかく新しいものが大好きなイノベータ勢がまずそれに飛びつき、その密かな盛り上がりにいち早く気がづいたアーリーアダプタたちがすぐに後を追う。
最後に、「みんなが持っているから」「流行っているから」という理由で購入する、フォロワーたちが流れ込む。
スマートフォンなんて、わかりやすいほどにこの代表例でした。
※イノベーターは全てにおいてイノベーターなわけではなく、例えば、電化製品類はイノベーターだが、ファッション類はフォロワーなど、ジャンルによって個人個人その特性は変わる。
昨年12月に開催されたペイペイキャンペーン第一弾は、1人5万円までのほぼ青天井キャッシュバック。そして今回の第二弾は1回につき1000円までの条件付き。
これが妙技。
説明しよう。
シェアを取るためにはとにかくまず名前を売らなければならない。そこで、度肝を抜かす企画で第一弾。しかしPayPay側は、ここで一気にシェアを取れるとは思っていなかったはず。
スマートフォンが浸透するのにこんなにも時間が必要だった、というのが日本の特性。一般的に、新しいものには保守的で慎重。
そんな国を一気に塗り替えるのは困難を極める。そこで第一弾は、
はっきりと「インフルエンサー」への呼びかけ効果を狙ったものだと思われる。
第一弾の魅力は、ざっくり言えば25万円で5万円戻り、たまに全額(一回10万まで)戻るというド派手なものだった。
ちなみに、ここまでしても、とにかく新しいものには飛びつかない国民性、当時はこれでもなお「ペイペイなんて知らない」という人が多かったのも事実。
しかしここで、ユーチューバーを始めとする時代感度の高いインフルエンサーたちが予想通り飛びついた。
25万円を次から次へと使いまくり、次から次へとキャッシュバックされ、高確率で全額バックも続出。あまりのお祭り状態で各報道にも取り上げられ、あっという間に100億円バックは底をつき、キャンペーンは期間をかなり前倒しして終了してしまった。
撒き餌作戦成功である。
インフルエンサーたちのおかげでそれなりに知名度が上がったペイペイ。次にぶつけてきたのが「条件を大幅に変えて」(←ここ大事)の第二弾である。
第二弾の条件は、「キャッシュバックは一回につき最高1000円まで」。しかしこれがどんなに巧妙か。
一見、「第一弾の早期終了の失敗(?)を踏まえて、キャッシュバックの条件を低くした」、と思われがちだが、私は違うと思う。つまり、あきらかにターゲットを変えてきたのだ。
もしも条件を変えずに同じことをやれば、第一弾同様に、あっという間にインフルエンサー達に食い殺されるだけで終わる。今回の目的は、「できるだけ多くの人」に利用してもらうことである。
第一弾のキャッシュバックが終わり、信用が確認できたフォロワーたちがその便利さとお得さに気づいて動きはじめる。少ない額ならみんなが動きやすく、特定のお店で常に20%バック、そしてたまに全額(1000円まで)バック。これで十分なのだ。
現在のペイペイのシェアの確認はできなかったが、キャンペーンをやる前と後では天地の違いが出ているはず。第一弾当時はファミマの店員さんに、「ペイペイのお客さん初めてです」とか、「あ、スマホもペイペイってしゃべるんですね〜(笑)」と驚かれた場面にも遭遇(当然こっちもよくわかってなかったんだが(笑))。
3ヶ月前はほとんどの人が知らなかったペイペイ。もう完全に軌道に乗せてしまった。
さすが相当なお金をかけただけ、UIも含めて現時点ではペイペイが最も優れていると思っています。
現時点で最も気の毒なのは、あれやこれやと決済方法を要求される店側か(笑)。
でも現金をじゃらじゃらされるよりはよっぽどよいはず。バイ菌だらけの汚い現金を触らなくてよく、お釣りの心配をしなくてもよいですしね。
ところで自分、ここのところもうファミリーマートしか行ってないですわ(笑)。しかも毎日行ってます。それはもうファミマの看板を見ると、条件反射的に「行かなきゃ」って思うほどに(末期)。
第一弾のキャンペーンでもらった5万円弱がまだ大量に残っており、現在ペイペイ加盟店では全て無料の買い物を堪能しております。かつ、この中でも再びキャンペーンでキャッシュバックが生じている。つまり、
20%のさらに20%が戻ってきている状態。
恐らく今年の夏くらいまでは、少なくともコンビニではお金は払わないんじゃないでしょうか。
で、全額バック(1000円まで)のやたら当たるくじも、確かにやたら当たりますね。私は確率10分の1コースのはずなんですが、5分の1どころか、3分の1ペースで当たってる気がします。
当然、たまたま運が良かっただけでしょうけど、これが輪をかけてチャージ額が減らない原因にもなっています(一時的には減りますが、また戻ってくる)。
ちなみに、このペイペイの戦略に慌てたLINE Payも、只今ローソンで20%バックをやっています。
実はLINE Payもこの間5000円分もらったばかりで、現在どちらで買い物をしてもお金がかからないのですが、やはりペイペイより相当パンチが弱く感じます。キャッシュバックのアナウンスも貧弱ですし(←ここ最重要だと思う。突貫工事感がハンパない)。
ペイペイ、親会社への不信感は今も昔も全く変わらないが、恐れ入った。
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