10%下落と10%上昇は全然違うよ。もとになる数を小学生の算数からやり直す。
これって結構錯覚に陥るときないですか?
割合の「%」は、普段は「20%OFF!」みたいな、一方通行で計算することが多いので、大きな混乱はありません。
でもここに、「◯%UP!」が入ってくるとパニックする方が多いようです。「多い」とか、あわよくば他人も巻き込もうとしていますが、私ですが何か(笑)。
要するに、
「10%引いたものに10%戻しても、元には戻らないよ」
という、手品のようなお話。
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<例>
①100円の10%引き=90円
②90円の10%戻し=99円
→100円には戻らない!
なんでこんなことが起きるかと言えば、「100円の10%」は10円ですが、「90円の10%」は9円だからです。
この考え方である「もとになる数」というのは、小学5年生で習いますが、これ、恐らく一生使うレベルの大事な考え方。
私は人生で以下の式を多分、1000回以上は使っています。
「A:B=C:D」
(この場合、A✕D=B✕Cが成り立つ)
この式自体は小学生じゃなかったかもしれませんが、考え方としては同じ。
↓こういうときに使います。
「120円が150円になった。何%上がった?」
これを上の式に当てはめると、
「120円:100%=150円:?%」
→120✕?=100✕150
→120✕?=15000
→?=15000÷120
→?=125
→100%が125%になったのだから、25%上がった。
ただこれを数学の強者に言わせると、「ずいぶん原始的な、めんどくさいことやってるね」と言われそうですが、私は極力目視確認してミスを減らすために、いまだにこれを使っています。外出先では、iPhoneのメモ帳を使いまくりだ。
この計算は、生活する上で必要な場面はいっぱいある。
「800グラムで1200円、900グラムで1300円、どっちが安い?」とか。まだ数百円の違いならいいが、これが数十万、数百万になったらどうです?
そりゃ、アポロ13ばりの検算が必要になってくるはず(笑)。
もちろん、為替や株でも使いまくり
昨晩は、NYダウが【+2,213】ドルで、「史上最大の上げ幅」となりました。しかしこれが「上げ率」となると【11.4%】となり、史上最大ではなくなります。
このカラクリ(?)も同じで、例えば、
①100円が110円になる
②1000円が1010円になる
上のふたつ、どっちも「上げ幅は10円で同じ」です。
でも上げ率は「①が10%」、「②はたったの1%」で、同じ「10円」だとしても「もとになる数」によって「%」は大きく異なってきます。
だからなんだよ?
ということでもあるんですが、今回言いたいことは2つ。
一つは、2/12の最高値を起点として、現在【29.9%】下げたNYダウが、同じ値に戻るには、【42.7%】の上昇が必要だということ。ホルダーはこれを肝に命じる。
まだこのくらいなら良いが、万が一の万が一、もし90%下落したとしたら、元に戻すには何%必要か計算してみてください。
答えは1000%だ。
もう一つは、こういった「数字のトリックを使ったビジネス」には騙されないようにしたいということ。
例えば以下。
<問題>
以下に2つのプランがあります。あなたならどちらを選びますか?
①50人に1人無料!
②今なら5%引き!
いかがでしょうか。私なら即答で②を選びます。でもこれ、①を選んだ方は多いんじゃないですか?
はい、これは以前ANAが実際に行った、数字のトリックを使ったキャンペーンです。この場合、リターンの期待値としては、②に軍配が上がります。説明します。
①50人に1人無料ということは、100人に2人無料。つまり2%のキャッシュバック。
②全員が5%引き=5%のキャッシュバック。
ANA的には、実は②の方が痛い出費なんです。でもこうした数字のトリックを使うことで、消費者を気持ちよく騙すことができるんですね。
「セコいな、①にしようぜ」と言われる方も多いかもしれませんが、そう言ってしまうことも全て事前に想定して出してるキャンペーンのはずですから、議論すればするほど、ANA的にはしてやったりなんです。
しかしこの場合は決して損はしていないので騙されたわけではないのですが、我々が生活している中では、結構騙されていることって、あるんじゃないですかね?
いや、絶対あるし(笑)。
↓あとこの辺も、使いこなせれば勝ちですが、一般的には相当グレーですね(笑)。
企業が用意するキャンペーンの類はちゃんとパフォーマンスの検証が必要です。ただ「銀行」に限っては、検証以前にろくなもんないですが(笑)。
↓参考記事です。